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あの味この味 区切り

2018年2月1日

株式会社ミツワ

お客様の困りごとを
蓄積した技術で手助けする

 

 

佐藤 茂  代表取締役

 

 

■人柄で信頼を得て業務の輪を広げていく

 

──まずは創業の経緯からお聞かせください。

 

佐藤 私たちの仕事は、室内環境整備や害虫駆除などのビルメンテナンス業の区分に入ります。この事業を始める前は運送業を営んでいました。昭和53年に法改正があり、マンションや公共施設などの施設については、生活用水の貯水槽を設け、定期的な清掃が義務付けられました。それに合わせて私の父である先代が、貯水槽の清掃業務を仲間2人と始めました。社名の「ミツワ」は、父を含めた3人の創業メンバーに因んでいます。

 

いまは定期的な貯水槽の清掃が当たり前ですが、法律の施行後は一般に認知度が低く、お客様も消極的な反応が多数ありました。各自治体も施行後5年ぐらいは、入札もない状態でしたから。そんな中で先代は、県内各地域の管工事業者さんを回り、地道な営業と人柄で信用を得て、徐々に業務を拡大してきました。

 

先代もそうでしたが、私も人が好きです。そういう部分が先駆的な事業でも、私たちを通して認知頂き、ありがたくもお客様と長くお付き合いさせて頂いている要因かもしれません。私はあまり営業らしい営業はしていませんね。話好きではあるので、お客様と雑談が盛り上がり「ところで何しに来たの?」と言われて、最後にちょこっと営業をする感じです。(笑)まずは自分をPRする。焦らずにお客様との関係を作るのが第一だと思いますので、そういう部分は営業担当など社員にも伝えています。

 

──御社の業務内容を改めてお聞かせください。

 

佐藤 貯水槽や給・配管、ダクトなどを洗浄・清掃、検査、メンテナンスを行っています。また側溝の清掃も事業内容ですので、除染作業もお手伝いさせて頂いています。最近では高圧洗浄での外壁を塗り直す前の古い塗装の剥離や、高速道路の路面の洗浄などもやらせて頂いています。

 

ガソリンスタンドなどのオイルタンクも、貯水槽と同様に定期検査が義務付けられたのを契機に始めさせて頂いた事業です。清掃はもとより、タンクの漏洩や残厚などの検査や補修を行っており、また解体や入れ替え、配管工事も行っています。清掃で出た汚れもそうですが、各種産業廃棄物の収集から処理も業務の柱の一つです。

 

関連会社の事業になりますが、不用品回収や片付けサービスを行う「片づけのパオ」、家屋などの解体サービス「解体のパオ」を運営しています。ウェブサイトで見積もりや注文が出来て、遠隔地からの依頼も可能です。古物商も認可を受けているので、再利用出来る不用品は利益をお客様に還元しています。震災前から大手さんに先駆けて事業展開し、特に震災後は多くのお客様にご利用頂きました。

 

──会社の強みはどうのような点だとお考えですか?

 

佐藤 お陰様で当社は平成29年に創業40周年を迎えることが出来ました。ここまで事業を続けられたのは、お客様からご依頼された困りごとを一つずつ解決しながら、私たちへの信頼の輪を広げられた成果だと思います。

 

創業当時から比べると、業務に使用する機材は目覚ましい進化を遂げています。現場の意見を汲み取ってくれた機材メーカーさんの努力と、実際に現場に当たってくれている社員の力も大きいと思います。当社の技術者も独自で機材をカスタマイズして実際の現場で使用しているんですよ。業務に使用する高圧洗浄や吸引を行う特殊車両は、半年から1年ほど製作が掛かるものなのですが、メーカーさんの提示から、更に社員の要望を踏まえた仕様に改良しています。経費は掛かりますがね。(笑)この40年で蓄積された経験や人材も大きな強みに挙げられると思います。

 

そして何よりお客様は当然ですが、社員同士のつながりを大切にする部分は誇れる点です。業務上、現場の都合によって朝の時間はなかなか顔を合わせられませんが、業務後の終礼は必ず行って今日の業務の反省や問題点の共有は密接に行っています。

 

先代は「まずはあいさつをしよう」と社員に伝えていました。私の代でもそのイズムは継承しています。この仕事は危険が伴う場合もあり、基本を忘れがちになると業務にも影響が出ることも考えられます。まずはあいさつや身だしなみの基本から見直すことで、社員との「和」、お客様との「輪」、社会との「環」が、初めて広がっていくものだと思っています。

 

■多様なニーズに応えることで暮らしを下支えしていく

 

──業務を行う中で、力を入れている部分は何でしょうか?

 

佐藤 私たちの業務は、なかなか表舞台に立ちにくいものですが、時代の利便性が向上するに従って内容は多岐に及んでいます。タンクなどの材質も鉄などの金属や強化プラスチック、コンクリートと様々です。清掃する現場も貯水槽やオイルタンクのほかに飲料工場や薬品工場、また温泉や介護施設で繁殖する細菌対策も業務の範囲になります。また、配管などの制御の電気系統も複雑化しています。それぞれの現場で、清掃する物や汚れに応じて異なった業務方法が求められる中で、なるべくすべての困りごとに対応出来るように、人材も設備も充実させていければと考えています。

 

そのような意味では、これからもニーズが多く、やりがいのある事業だと考えています。この仕事を志す若い人が増えるよう、魅力を発信出来ればと思っています。

 

 

 

──最後に今後の抱負を。

 

佐藤 震災直後は水が不足していたので会社敷地内に井戸を掘り、住民の方に自由に使えるようにしました。また、近隣の病院にも給水車として車両で回ったんですよ。業務の範囲外でしたが、やれることはお手伝いしたい気持ちが根底にあります。昔も現在も変わらず私たちの使命は、お客様の困りごとを解決することだと思っています。その部分を丁寧に続けていければ、これからの福島の未来の一助になるのかなと思っています。(聞き手・江藤 純)

 

 

■藤 茂代表取締役略歴

 

昭和43年1月19日生まれ。日本大学東北高校から北里大学環境衛生学部を卒業。大手製薬会社に就職後MR(医薬情報担当者)として活躍。先代の体調を契機に家業を継ぐため、関東の廃棄物処理会社で5年経験を積む。平成10年に㈱ミツワへ入社後、15年に現職に。現在は市内で夫人と子供5人(中3、中2、小6年、小5年、5歳)の7人暮らし。

 

 

■企業 DATA

 

設立:昭和53年

 

所在地:郡山市柏山町5

 

事業内容:建造物水槽(貯水槽・オイルタンクなど)の高圧洗浄、廃棄物処理、ビルメンテナンス

 

資本金:1,000万円

 

従業員:36人

 

http://www.kk-mitsuwa.jp/

 

(財界ふくしま2018年2月号掲載)


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