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あの味この味 区切り

2018年6月1日

ホームベーカリー コビヤマ

「マチのパン屋さん」の温もりで
会津のブランド力を発信

 

小桧山和馬代表

 

■会津食材使用のシュト―レン「食の復興」が出発点

 

――まずは店舗の歴史をお聞かせください。

 

小桧山 曽祖父が大正時代に和菓子店を始めたのが原点になります。パン屋を始めたのは父の代からです。ですのでパン屋としての創業は昭和56年になります。父は私が小学生の時に亡くなり、その後は母とスタッフでお店は切り盛りしていました。そんな母の姿を見て「お店を継ぐよ」と子供の私は言っていたそうです。記憶は薄いですが。(笑)

 

地元の高校を卒業後、パンを専門的に学べる東京の菓子専門学校で学びました。その学校では短期ですがフランスとドイツに留学出来るのが魅力でした。本場のパンや洋菓子に触れる経験が、現在の店舗に生かされているかもしれません。その後、横浜の有名パン店で修業をしました。その店は1店舗で年商1億円を売り上げる有名店で、私はパンを焼き上げる窯を担当していました。15時間以上パンを焼き上げる日々が2年間。(笑)体力の限界で辞めることになりますが、その経験もいまの大きな土台になっていることは確かです。私の店では約100種類以上のパンやお菓子はもちろん、お惣菜も手づくりです。朝4時から仕込みを始めますが、当時に比べれば大丈夫です。

 

帰郷後に店を手伝ったり講習会に参加したりしてスキルを上げている最中に、大震災が起きました。店が半壊する中、相談に乗ってくれたのが地元の信組さんです。現在の店舗は信組さんのアドバイスを得ながら、私が代表としてリニューアルオープンしたものです。あれから7年経過しているのですね。

 

――会津の食材を使ったシュトーレンを制作するきっかけは?

 

小桧山 信組さんからのお誘いがきっかけでした。復興庁が主催する「世界にも通用する究極のお土産」に応募するお土産を制作してみないかというお話でした。

 

シュト―レン(写真右端のもの)というお菓子は、ドライフルーツやナッツのラム酒などに漬けたものを練り込んだドイツの菓子パンです。その形はキリストの揺りかごを模していると言われる通り、クリスマスの時期によく食されます。長期間日持ちがするので、フレッシュなものと熟成したものとの味の変化が楽しめ、ドイツではクリスマスの1カ月前から味わうんです。私たちが制作した「會津が香る シュトーレン」も約2カ月お楽しみ頂けます。

 

私はパン屋なので、食の面から復興を後押ししたいと考えました。ですので会津が誇る食材である身不知柿と、会津のおいしい日本酒「会津娘」を使用しています。当時、復興大臣政務官を務めていた小泉進次郎さんが、このシュト―レンをお知りになって「こういうことがやりたかったんだ」と突然お電話頂いたのには、びっくりしました。ご本人が福島にお出での際に、店舗に来られて直接お買い上げ頂いたのは、大きな励みになっています。

 

シュト―レンをもっと認知してもらうため、伊藤忠商事や全国信用協同組合連合会などが運営する購入型クラウドファンディングサービス「MOTTAINAIもっと」に登録し、資金提供者に会津の産品をお贈りし、初の成功事例として好評を得ました。大きな夢ですが、会津、更には福島のお土産の定番にこのシュト―レンが成長してくれればありがたいです。

 

――地元高校とのコラボ商品の開発にも力を注いでいますね。

 

小桧山 コラボ相手の若松商業高校は私の母校なのですが、この企画のデザイン協力をしている学校の先輩にお話を頂きました。会津産山桜のはちみつを使用した「桜蜜ラスク」です。いちご味のピンク色のチョコは『八重の桜』をイメージしています。高校生と接した中で発見があったのは、商品を輝かす熱意です。お客様からのご意見の中でも「高校生の商品に注がれている熱量を感じて購入した」というご意見をもらいました。お客様をまず喜ばせたいという原点が受け手に感じられるものだったんでしょうね。

 

そういう意味では、商売の基本を改めて見つめ直すいい機会になりしたね。すべてのパンに天然酵母を使用したり、水や国産小麦など原料にもこだわっているのも、お客様の健康のため。昔ながらの手作りお惣菜の挟んだパンから、最近流行しているパンまで取りそろえるのも、子供からお年寄りまでパンで笑顔になってもらいたいからです。

 

近くの大学や高校の生徒さんで、やっぱりここのパンがおいしいからと通ってくれる子がいます。そういうお客様を一人ひとり大切にすることの積み重ねだと思います。

 

ラスクの方はお陰様で、あるイベントでは600枚が完売するなど好評を得ています。山桜のはちみつは濃厚なので、配合する分量は試行錯誤しました。シュト―レンと同じように、会津のお土産の定番に育ってくれればうれしいですね。

 

■地域企業の間を取り持ち新しい魅力を広げる喜び

 

──今後の夢や展望についてお聞かせください。

 

小桧山 私はマチの小さなパン屋ですが、例えば今回のように酒造所と食品加工会社などの間に立つことは出来ます。地域の魅力を引き合わせて、より大きな魅力を引き出すことが出来るんだなと面白さを感じています。いい素材を合わせて、手間暇掛けてつくるパンと同じですね。(笑)

 

シュト―レンやラスクの試みの中で、会津でいいものを制作している方に多く出会う機会を得ました。お店に居るだけでは得られなかった視野の広さも大きな財産です。修業時代に「味がいいのは当たり前、人間性を磨け」と教えられました。商品には人柄が現れると思います。

 

これは構想中ですが、会津の逸品を掲載したセレクトブックを、地域ぐるみで制作出来ればと考えています。例えば結婚式の引き出物用に式場に置くとか、旅行バスや観光スポットに設置するなど、会津のブランド力を発信する有効なツールになると思うんです。そこから会津に興味を持って現地やコビパン(地元での愛称)へ行ってみよう、食べてみようと思ってくれる方が県内外で増えてくれればいいなと思っています。(聞き手・江藤 純)

 

■小桧山和馬代表略歴

 

昭和58年5月26日、会津若松市生まれ。若松商業高校から日本菓子専門学校パン科を卒業。横浜のパン屋での2年間の修業後に故郷に帰省。故郷でもパン作りの研鑽を重ね、リニューアル後の平成23年から代表に就任し、店の舵取りを担う。現在市内で母、夫人、1男1女の5人暮らし。趣味は休日に家族と買い物や出掛けること。

 

■企業 DATA

 

設立:昭和56年

 

所在地:会津若松市山見町307

 

事業内容:パン、洋菓子の製造販売

 

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(財界ふくしま2018年6月号掲載)


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