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あの味この味 区切り

2016年7月1日

有限会社荘司商店

〝美容から健康〟で
理美容業界を活性化

 

荘司基之 代表取締役社長

 

■〝健康〟に着目した美容の自社ブランド

 

――まずは会社の事業内容から。

 

荘司 理美容サロンやエステサロンに化粧品・サプリメント・美容機器の流通販売を行っています。また、理美容商品を取り扱う商社や同業者の理美容ディーラーへの販売をはじめ、福島市で運営している岩盤浴「桃源の癒」も業務の柱となっています。
当社は、祖父・卯之吉が戦後すぐ飯坂町(現・福島市)で創業したのが始まりです。薬剤師だった祖父は当初、薬品販売を行っていたようですが、徐々に化粧品の調合など理美容室からの依頼が増えていき、いまの業態に転換しました。現在、サロンに商品を卸す理美容ディーラーとしては、本県をはじめ宮城県、山形県、東京の一部にまで営業エリアが広がっているところです。

 

――近年では流通販売のほかに、自社ブランド「Shoji M Project」にも力を入れているようですね。

 

荘司 人口減少化が進み、市場が縮小傾向にある理美容業界に「予防医療・健康産業」の要素を取り入れようと、頭皮の表面と体の内面の両方ケアが出来る商品を、自社のオリジナル商品として開発・販売を行っています。

 

私が家業に入ったのが10年ほど前になるのですが、当時からこの業界には危機感を持っていました。当社は特に〝理容室〟がメーンの顧客だったのですが、いま理容師は高齢化が進んでいることに加え、後継者不足に悩まされている状況だったからです。また、低価格で人気のあるディスカウント店が多くありますが、カットのみの方が増えると当然、取り扱う化粧品の需要は少なくなります。更に、本県においては大手の美容室の進出があり、そういった中央の企業は一括仕入れのため、我々のような地元企業が入り込めることはありません。

 

それで、このままでは将来がないと予防医療と健康産業を取り入れることにしたんです。あらゆる業種・業界が縮小傾向にある中、予防医療と健康産業は急成長を見せています。いつの時代でも「美容」と「健康」は必要とされていますが、こういったサロンからお客様に健康まで提案する取り組みは、サロンの先生個人がその分野がたまたま好きでやっていたレベルで、システム化されていなかった。

 

髪の毛は栄養素が一番最後に到達するため、健康状態が一番反映されやすい場所として知られています。つまり胃腸に負担を掛けたり、ホルモンバランスが悪いと、それが頭皮にも現れてくるんですね。そこで、この知識をうまくお客様に活用することが出来ればと―。例えばカットしながらお客様の頭皮を診断し、根本的な改善のためにはどうしたらいいかなど健康状態まで気遣える、「美容」から「健康」までを提供する理美容室が出来れば、低迷する業界の市場がもっと広がるのではないかと考えました。

 

実際にこのプロジェクトが動き出したのは平成23年の夏でした。震災によって、これまで取り引きをしていた地域の商圏が消失したことが、一つの契機になりました。
当社では震災以前から、メーカーから当社を窓口に全国に流通させる販社事業を行っていましたが、その一つに美容成分のフルボ酸を主成分とするシャンプー「aminospaA+3」があります。健康面から頭皮が弱くなっている方が増えていますが、このシャンプーは頭を洗いながら地肌を活性化することが出来、髪の毛が増えたり、細い髪の毛が太くなるなど様々な効果があり、震災後、女性誌『anan』に取り上げられ大ヒットしました。そして、この「aminospaA+3」と組み合わせて使用することも出来る炭酸パウダー「シードルスパークリングパウダー」をオリジナル商品として開発し、全国に販売していったんです。

 

■サロンから布団を販売したい

 

――オリジナル商品を開発するに当たって気を付けた点は?

 

荘司 一つは安全性です。この炭酸パウダーは99㌫を食品成分、残り1㌫も天然のミネラル粉末で作っており、口に入れても安全なものを商品化しました。
もう一つは商品に複数の用途を持たせたことです。正直に言って一つの用途だけで大手の商品と勝負するのは難しい。ですので、この商品は「aminospaA+3」と組み合わせてヘッドスパ(ヘッドマッサージ)に使用出来るほか、炭酸パックやボディーマッサージなど、複数をターゲットに出来るよう多様性を持たせることにしたんです。
また、そのほかではエアブラシで炭酸ガスと水を霧状に吹き付ける美容機器「CIDRE」や、血行促進作用がある薬膳茶「RARITEA」を開発し、全国に販売を行っています。お陰様で、自社ブランド「Shoji M Project」は好評を頂いていまして、ここ4期連続で売り上げが伸びています。

 

――最後に、今後の抱負を。

 

荘司 当社では現在、水晶を液化した「水溶性ケイ素原液」に力を入れています。いまのところ健康食品や化粧品原料として同業者に流通販売を行っているのですが、この水溶性ケイ素原液は酸化しない特性のため、医療分野や劣化しないコンクリートの開発などにも使われています。今後は様々な分野で活用する機会が増えてくると思います。ですので、医療や工業関連などにも目を向け、事業の幅をもっと広げていければと思っています。また、頭皮のトラブルを根本的に解決するには健康状態を高めないといけませんが、そこに至るまでのアプローチを出来るシステムを作りましたので、これをもっと全国に広めていくとともに、自社ブランドの販売を増やしていきたいと考えています。
そして、将来的にはサロンで布団を販売出来るようにしたいと思っているんです。なぜ布団かいうと、人は人生の3分の1を寝て過ごしますが、その時間を血行促進などに当てることが出来ればと考えているからです。いま赤外線を発生する繊維など新しい素材がありますので、まずはブランケットやシーツを提案していきたいですね。(聞き手・斎藤 翔)

 

荘司基之      代表取締役社長略歴

 

昭和57年12月1日、福島市生まれ。福島北高校を卒業後、東京都内にある理美容ディーラーに勤務。その後、ボクシングのプロライセンスを取得し、プロボクサーとして約4年間活躍した。平成16年に家業に入り、今年4月に現職に就任。現在、市内で夫人、子供3人と5人暮らし。趣味は音楽鑑賞、ギター。

 

企業 DATA

 

創業:昭和21年

 

所在地:福島市鎌田卸町13-4

 

事業内容:化粧品・美容機器などの流通販売、
自社商品の開発・販売

 

資本金:900万円

 

従業員数:14人

 

 

http://shoji-mp.com/

 

(財界ふくしま2016年7月号掲載)

 

 

 

 

 

 

 

 


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