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あの味この味 区切り

2017年10月13日

10.22衆院選福島小選挙区・直前当落予想!!

1区自民・亀岡の焦点は比例復活に

 

いよいよ投票日まで9日となった。福島の各選挙区の序盤の情勢がどうなっているのか。本誌の総力取材で直前の情勢を分析した。今回の衆院選は臨時国会冒頭解散で幕が開いた。有権者からは「森友・加計問題隠しではないか」と批判が強まり、安倍政権に逆風が吹くことになる。

 

そうした中で、首相の解散会見当日の9月25日に小池百合子都知事は「新党の代表に就く」と宣言し、翌26日には、民進党が「希望の党に合流する」ことが発表されたことで、安倍晋三首相も「想定外だね」と嘆くほど自民党は窮地に陥った。この時点で自民党は「200議席を割る」と悲壮感が漂っていたほどである。

 

ところが、その潮目が大きく変わることになる。9月29日の小池氏の「民進党内のリベラル派が排除されないということはない。排除致します」との発言である。民進党の前原誠司代表の「(民進党から希望の党に)公認申請すれば排除されない」との発言に対する発言だったが、これにリベラル派の枝野幸男氏らが反発し、「立憲民主党」を結党する。枝野新党に走る民進党前職が続出することになり、前原代表の目論んだ「自民党と1対1の対決の構図」が崩壊してしまう。

 

希望の党の立ち上げ時は、「最大150議席を確保し、自民党は最低でも80議席減は避けられない」という見方だったが、小池氏が『排除の論理』を打ち出したことに加え、自らの衆院選出馬を封印したことで希望の党は大失速することになる。小池氏自らが墓穴を掘ったことで自民党に追い風が吹くことになる。

 

更に、追い打ちを掛けたのが、民進党からの合流組に対する“公認の条件”である。「憲法改正を支持すること」「党の指示する金額を党に提供すること」との政策協定書に署名が義務付けられたことに反発を招いた。特に、供託金とは別に前職200万円、新人100万円以上の上納金を要求されたことに批判が集中した。これで、完全に自民党は200議席を割ることはなくなったという安堵感が漂った。

 

表①は、自民党が公示直前に実施した世論調査の結果である。自民党が解散前の議席数を大幅に減らす数字となっているが、注目の希望の党が100議席で“失速”を裏付ける結果となっている。ただ、自民党は、与党系の無所属を加えると単独で全常任委員長ポストを独占する244議席を上回っている。

 

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表①◆各党の推定獲得議席数

 

自民党 239
公明党 34
希望の党 100
日本維新の会 25
立憲民主党 29
共産党 22
社民党 2
新党大地 1
無所属 13
《本誌が独自に入手した全国世論調査の資料より》

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更に、公示後に実施された各メディアの世論調査では、自民党は更に勢いを増して300議席を超える情勢だ。これに対し、希望の党はせいぜい60議席で最大でも70議席前後と低迷している。逆に、立憲民主党は40議席前後に躍進する勢いである。

 

表②をご覧頂きたい。本誌の独自取材による県内選挙区の直近の情勢である。

 

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表②◆福島全選挙区の直前当落予想!!

 

1区 有権者数 41万8251人
△金子 恵美 52歳 無所属 前①
▲亀岡 偉民 62歳 自 民 前③(重複)

 

2区 有権者数 35万2,861人
○根本  匠 66歳 自 民 前⑦(重複)
_平  善彦 65歳 共 産 新
▲岡部 光規 49歳 希 望 新(重複)
_西村 恵美 54歳 維 新 新(重複)

 

3区 有権者数 27万4,738人
_橋本 健二 69歳 共 産 新
▲上杉謙太郎 42歳 自 民 新(重複)
△玄葉光一郎 53歳 無所属 前⑧

 

4区 有権者数 24万8,007人
_渡辺 敏雄 68歳 社 民 新(重複)
△小熊 慎司 49歳 希 望 前②(重複)
_古川 芳憲 66歳 共 産 新
▽菅家 一郎 62歳 自 民 前②(重複)

 

5区 有権者数 33万2,212人
○吉野 正芳 69歳 自 民 前⑥(重複)
▲吉田  泉 68歳 希 望 前⑤(重複)
_熊谷  智 37歳 共 産 新
_遠藤 陽子 67歳 社 民 新(重複)

 

※写真は1区・左から金子恵美氏、亀岡偉民氏/2区・左から根本匠氏、平善彦氏、岡部光規氏、西村恵美氏/3区・左から橋本健二氏、上杉謙太郎氏、玄葉光一郎氏/4区・左から渡辺敏雄氏、小熊慎司氏、古川芳憲氏、菅家一郎氏/5区・左から吉野正芳氏、吉田泉氏、熊谷智氏、遠藤陽子氏

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1区は、無所属で出馬した金子恵美が、自民党前職の亀岡偉民と激戦となっているものの僅差ながらリードしている。

 

今回、金子は「希望の党の政策協定書に納得いかない文言があり、歩み寄ることが出来ない」として公認申請をしないで無所属で立候補したため、共産党が公示直前に擁立を取りやめた。共産党は「政策協定は結ばず、推薦はしない」ものの、野党共闘が実現したことで金子が有利となった。

 

前回、亀岡の10万2,929票に対し、金子は9万7,630票を得票している。実は、金子は公示日の2週間前に出馬が正式に決まったという経緯があり、出遅れ感は否めずに厳しい選挙戦を強いられた。それでも最終盤に亀岡を猛烈に追い上げて僅差の勝敗に持ち込んで復活当選した。今回は、前回1万6,748票を得票している共産党が立候補を取りやめ、社民党を加えた野党共闘が実現した。焦点は、亀岡が復活当選するかに移っている。

 

2区は、8回目の当選を目指す自民前職で元復興大臣の根本匠に、希望の党新人の岡部光規、共産新人の平善彦の前回と同じ顔触れに加え、日本維新の会新人の西村恵美が立候補した。

 

前回は、根本の9万1,648票に対し、岡部が5万8,358票だった。今回も、根本が大票田の地元郡山で安定した強さを見せている。その一方で、岡部は希望の党公認での立候補となったが、公示直前に希望の党が勢いを失ったこともあり、立憲民主党の支持票を着実に取り込んでいるものの、前回同様に厳しい情勢となっている。また、不仲が伝えられる民進党参議の増子輝彦が、公示日に1区の金子恵美の選挙事務所に顔を見せるなど、増子との関係修復に至らなかったこともマイナス材料といえる。

 

共産党の平は共産党支持層を固めているが伸び悩んでいる。また、日本維新の会の西村恵美は、岡部が希望の党の公認になったことで当初目論んでいた希望の党の推薦を受けることが出来なくなったことで独自の戦いとなっている。

 

 

4区は希望の党の小熊に自民・菅家が肉薄

 

3区は、9回目の当選を目指す無所属の玄葉光一郎が安定した戦いを見せている。一方、自民新人の上杉謙太郎は須賀川市や田村地方で票を伸ばすなど予想以上に善戦している。

 

前回は、玄葉の9万4,462票に対し、上杉は4万9,174票でダブルスコアに近い票差だったが、今回の玄葉に死角がないわけではない。玄葉にとって不安材料の一つといえるのが、今年4月に行われた田村市長選で玄葉の推す現職の冨塚宥けい(※「けい」は「日」へんに「景」)が新人の元県議の本田仁一(現市長)に約4,500票の大差で敗れたことだろう。この選挙は玄葉が前面に出たことで「民進VS自民」の戦いとなった。現職が敗れたことで玄葉の不敗神話に陰りが見えたことは否定出来ない。

 

しかも、2度目の挑戦となる上杉が選挙区内を隈なく歩いて支持を訴え、「3区の上杉」の知名度が浸透してきたことが大きい。前回、上杉が正式に出馬を表明したのが、公示日の20日前で独自の後援会組織も持たないままでの戦いだった。それでも、自民党の総力戦となったことで「3区の自民党の基礎票5万票」にわずかに届かなかったものの、復活当選まであと一歩に迫る善戦となった。最終盤で上杉が玄葉をどこまで肉薄出来るかが焦点だ。

 

4区は、ともに3回目の当選を目指す自民党の菅家一郎と希望の党の小熊慎司が激しく競り合っている。解散前の自民党の世論調査では、小熊が菅家を7ポイントリードしているという結果が出たことで、一時は、自民党本部が「菅家は復活当選もない」という話が実しやかに流れたほどだ。しかし、公示後の世論調査では、今度は菅家が勢いを取り戻して小熊に肉薄しているという結果が出た。

 

前回は、維新の党の公認だった小熊が5万6,856票で勝利したものの、菅家も5万6,440票を得票し、その差わずか416票である。菅家自身、「投票率が下がったことが影響したが、メディアが『菅家が一歩リード』と書くので『菅家は大丈夫だ』と陣営内の気が緩んでしまった」と語るように、敗因は菅家陣営の油断にあったといえる。今回は、希望の党の公認となった小熊が、恒三派の全面支援を受けることになったため、立場が逆転して“菅家が追う立場”となった。

 

しかも、これまで3区だった西郷村が4区に編入された。西郷村は、中選

挙区時代に元衆院副議長の渡部恒三が強かった地区で、小選挙区になっても玄葉がダブルスコアで自民党候補者を破ってきた地区である。菅家にとって不利な材料が増えたといえるが、社民党の渡辺敏雄の立候補で小熊にも微妙な影響が出ている。菅家VS小熊の戦いはこれまで1勝1敗―。3度目の戦いはどちらに軍配が上がるのか、最後まで予断を許さない情勢が続いている。どちらが勝っても復活当選を見据えた僅差の勝負となる。

 

 

5区は、7回目の当選を目指す前復興大臣で自民の吉野正芳と6回目の当選を目指す吉田泉の事実上の一騎打ちとなっている。前回は、吉野の7万1,102票に対し、吉田が6万41票だった。吉野が1万票以上の大差をつけて地元で9年ぶりの勝利を果たす一方で吉田は復活当選の道も断たれてしまった。

 

吉野は5区最大の票田であるいわき市、特に南部で強さを発揮し、過去に1度吉田に比例区での復活当選を許したものの、平成12年、17年の総選挙では10万票超えをするなど「選挙に強い吉野」を印象付けてきた。

 

一方の吉田は、平成21年の選挙で自民の坂本剛二の8万8,968票に対し、13万5,692票と大量得票した実績を持つ。ただ、この選挙は、旧民主党が308議席を獲得したのに対し、逆風が吹いていた自民党は191議席しか獲得出来ずに第1党の座を失った時である。次の選挙で吉田は5万4,497票と半分以下にまで減らしており、今回は前回の6万票に上積み出来るかだろう。

 

ところで、前回の選挙で共産党の吉田栄作が2万1,527票を得票し、昨年の参院選比例代表で社民党は4,307票を得票している。前回の選挙で、吉田と吉野の票差は1万1,000票余りであり、野党共闘が実現していれば逆転も可能だったといえる。ただ、当初から野党共闘の道は閉ざされ、共産党は熊谷智を擁立し、社民党も人選に難航したが最終的に遠藤陽子を擁立した。

 

今回、吉田は希望の党から立候補し、一時はブームに乗れるかとの期待感もあったことは確かだ。しかし、希望の党が失速したことで吉田の票は思うように伸びず、逆に前復興大臣の実績が浸透している吉野が大票田のいわき市、双葉地方でも大きく票を伸ばしている。ただ、有権者の半数以上が誰に投票するかを決めていないこともあり、最終盤の動きが注目される。


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